あなたのご家庭では、小学生のお子さんにお小遣いを渡していますか?
なんとなく「小学生になったら」と考えてはいても、実際にどうやって始めたらいいか悩んでいる方もいるかもしれません。
今回は小学生のお子さんがいる500人に、「お小遣いの渡し方」や「金額」などについてアンケートを実施しました。
- 調査対象:小学生のお子さんがいる親
- 調査期間:2023年5月24日~6月1日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性345人/男性155人)
- 回答者の年代:20代 4.0%/30代 48.4%/40代 45.0%/50代以上 2.6%
小学生のお子さんにお小遣いを渡しているご家庭は66.8%
小学生のお子さんがいる親御さん500人に「お子さんにお小遣いを渡しているか」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「渡している」と答えた人が66.8%で多数派となりました。
小学生でお小遣いを渡し始めるご家庭が多いとわかります。
学年別に見てみると、以下のような結果になりました。
高学年になるほどお小遣いを渡しているご家庭が多くなっており、5~6年生では8割近くにのぼりました。
お小遣いの渡し方は定額制が39.2%
次に、お小遣いを渡していると回答した親御さん334名に「お小遣いの渡し方」を聞きました。
「定額制」が最も多く39.2%。
週1回、月1回など決まった金額を渡しているご家庭が多いとわかります。
「親からもらうお小遣い」というと、定額制がすぐ頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
定額制と他の渡し方を組み合わせている人も含めると、定額制を採用しているご家庭はより多くなります。
ではそれぞれの渡し方について、寄せられたコメントを紹介します。
1位 定額制
- 月1回の定額制。決めた額以外は渡さないようにしています(30代 男性 小学3年生)
- 月に400円ずつ。1年生から100円ずつアップ(40代 女性 小学4年生)
- 月1回、本人名義の銀行口座に振り込み(40代 女性 小学6年生)
最も多かったのは「定額制」でした。
月1回、給料日や月初・月末などキリのいい日に、現金で渡しているご家庭が多いようです。
ただ「週300円」「1日50円」など小分けにして渡しているご家庭や、銀行振込をしている人も。
銀行振り込みにすれば「ATMでお金を下ろす」「通帳を管理する」といった経験もできますね。
2位 報酬制
- お手伝いの内容によって、1回50円などの報酬制(30代 女性 小学1年生)
- テストで100点を取ったらシールがもらえ、一定数たまったら1,000円と交換できる(40代 男性 小学5年生)
- 勉強を頑張れるように、良い成績を取れたら渡す「報酬制」にしています(40代 女性 小学4年生)
2番目に多かったのは「報酬制」でした。
お手伝いをしたり勉強や習い事を頑張ったりしたときに、報酬としてお小遣いを渡しているご家庭も多いとわかります。
お手伝いや勉強のモチベーションをあげてほしいという思いがあるのでしょう。
「お手伝いのメニュー表」や「点数ごとの報酬一覧」をつくり、金額をきっちり決めている人もいます。
3位 都度制
- 都度制。ゲームセンターなどで渡している(30代 女性 小学1年生)
- 友達と駄菓子屋に行くときに渡す都度制(30代 女性 小学5年生)
- 都度制。親子で話し合って、必要なものなら渡す(40代 男性 小学1年生)
3番目に多かったのは都度制。
「欲しいものがあるとき」「友達と遊びに行くとき」「イベントごと」などに、都度お小遣いを渡しているご家庭も多いようです。
子どもの求めにすべて応じるのではなく、必要かどうかは話し合って決めるという声もありました。
4位 定額制+報酬制
- 月1回1,000円渡しています。またお手伝いをしたら、50円ずつ来月のお小遣いが増えていきます(30代 女性 小学1年生)
- 月1回の定額に加えて、手伝いをした時に臨時報酬で与えています(40代 男性 小学3年生)
- 月1回の定額制と、「お手伝いや良い成績を取ったら◯円」のような報酬制を組み合わせている(50代以上 女性 小学6年生)
4位は「定額制+報酬制」でした。
月1回などの定額制に、手伝いや成績によって報酬がプラスされる仕組みです。
子どもにとっては、毎月もらえる安心感と、頑張ったらお小遣いが増えるやりがいがありますね。
なお少数ですが「定額制だが、勉強やお手伝いをしなかったら減額する」という「定額制+減額」というシステムを採用しているご家庭もありました。
5位 定額制+都度制
- 定額制と、友達と遊ぶときにあげる都度制(30代 女性 小学3年生)
- 基本は月1回の定額制。「定額のお小遣いでは足りないけど、どうしてもほしいものがあるとき」は、都度渡すようにしています(40代 女性 小学2年生)
「定額制+都度制」が5位。
基本的には定額のお小遣いでやりくりするものの、どうしても足りない場面が出てきたときには都度渡すというパターンですね。
都度渡しが頻繁にならないよう、「申請書を提出させたうえで、家族で話し合う」などの工夫をしている人もいました。
6位 報酬制+都度制
- お手伝いをしたときとテストで100点とったときに、報酬制で渡しています。加えて、友達と遊びに行くときにお菓子代として500円渡しています(30代 女性 小学5年生)
- 風呂掃除などのお手伝いに対して渡す報酬制です。必要なときに渡す都度制もしています(40代 女性 小学6年生)
6位は「報酬制+都度制」。
報酬制で得られるお小遣いが少ない場合、友達と遊びにいくときなどは別途「お金をちょうだい」と言われることも多いのでしょう。
都度制で渡す額が大きくならないよう、金額・上限を決めている人もいました。
7位 一括制
- 年の初めに、お年玉としてお小遣いを渡している(30代 女性 小学5年生)
- お年玉でやりくりさせている(40代 男性 小学6年生)
7位は「一括制」でした。
お年玉や誕生日祝いとしてもらったお金を一括で渡すパターンです。
一括で渡されてすぐに使い果たしてしまうお子さんもいるでしょうから、渡し方としてはややリスキー。
ただ上手に管理できれば長期的なやりくりが身につきますし、使い果たして後悔するのも、いい経験かもしれません。
お小遣いを渡している理由1位は「やりくりを身につけてほしい」
続いてお小遣いを渡している親御さん334人に「お小遣いを渡している理由」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「やりくりを身につけてほしい(100人)」です。
2位「金銭感覚を身につけてほしい(92人)」、3位「お金の大切さを知ってほしい(40人)」、4位「仕事の疑似体験をさせたい(35人)」と続きます。
以降、5位「お金の使い方を学んでほしい(21人)」、6位「友だちと遊ぶときに必要(20人)」、7位「欲しいものを買えるように(19人)」の結果となりました。
お小遣いを通して、マネーリテラシーを学ばせたいと考えているご家庭が多いとわかります。
学校でもお金について学ぶ場面はありますが、実際のお金を使う経験ができるのは家庭や学校外だからでしょう。
では具体的な回答を紹介します。
1位 やりくりを身につけてほしい
- お金のやりくりを学んでほしいからです(30代 男性 小学4年生)
- お金の管理、収支をきちんと把握してもらいたいため(40代 女性 小学4年生)
- 持っている金額内でやりくりすることを覚えて欲しいので(40代 女性 小学6 年生)
1位は「やりくりを身につけてほしい」でした。
定額制や一括制のお小遣いであれば、「限られたお小遣いの中で、ほしいものに優先順位をつけて買い物する」という経験ができます。
「欲しいものを買うために我慢してお金を貯める」など、お金についての計画性を身につけさせるため、お小遣いの管理をさせているご家庭が多いとわかります。
2位 金銭感覚を身につけてほしい
- 小遣い帳をつけさせ、金銭感覚を身につけさせるため(30代 女性 小学1年生)
- 「何を買えばいくらお金が減る」などの金銭感覚を身につけてもらいたいから(40代 女性 小学5年生)
2位は「金銭感覚を身につけてほしい」です。
お金に対する感覚は人やご家庭によりさまざまでしょうが、「我が子には、浪費家になってほしくない」という願いは共通していると考えられます。
お小遣いを使って自分で買い物することで、モノの値段を実体験で知り、「使ったらお金は減ること」もわかります。
実際にお金を使わせて、適切な金銭感覚を身につけてほしいと考えているご家庭が多いようです。
3位 お金の大切さを知ってほしい
- お金の大切さを学ばせるため(30代 男性 小学1年生)
- お金の大切さをわかってもらうため(40代 女性 小学6年生)
3位は「お金の大切さを知ってほしい」でした。
お金で好きなものが買えることがわかれば、お金の重要性にも気づくでしょう。
また「頑張って貯めたお金でモノを買うことで、モノを大切にする気持ちを育みたい」という人もいました。
4位 仕事の疑似体験をさせたい
- 「働いたらお金をもらえる」という社会勉強のため(30代 男性 小学2年生)
- 「働いて報酬を得ること」を学ばせたいので(40代 女性 小学6年生)
- 自分のやったことがお金にかわる感覚をつけるため(40代 男性 小学5年生)
「仕事の疑似体験をさせたい」が4位でした。
何もしないでお金はもらえないと学ばせるためにお小遣いを活用している人も多くなりました。
仕事を疑似体験させたいなら、「報酬制」が向いています。
ただ「学校に行ったり勉強したりするのが子どもの仕事なので、日々の生活に対して定額制で渡している」という人も。
給料のようなシステムですね。
5位 お金の使い方を学んでほしい
- 最近ではキャッシュレスばかりになってきているので、お金の使い方をしっかりとわかって欲しいと思っているから(30代 女性 小学1年生)
- 物を買うことや支払いに慣れるようにするためです(40代 女性 小学6年生)
5位は「お金の使い方を学んでほしい」でした。
お金でモノを買う体験をさせたくて、お小遣いを渡している人もいました。
現金で買い物すると、使ったらなくなることが感覚でわかります。
6位 友だちと遊ぶときに必要
- 友達がお菓子などを買っているときに、買えなかったら可哀想だから(30代 男性 小学5年生)
- 友達と一緒に遊んでいるとき、「自分だけほしいものが買えない」という惨めな思いをさせたくない(30代 女性 小学6年生)
- 子ども同士で遊ぶときに、自販機で飲み物を買うことがあるから(40代 女性 小学3年生)
6位は「友だちと遊ぶときに必要」でした。
小学校高学年くらいになると行動範囲が広がり、友達と遊ぶときにお金が必要になるケースもあります。
お菓子や飲み物などは家から持っていくことも可能ですが、「友達が買っているときに自分だけ買えないのはかわいそう」という意見も多くみられました。
周りの友達に合わせるためお小遣いが必要と考える親御さんもいるようですね。
7位 欲しいものを買えるように
- お小遣いを貯めて、ほしいものを自分で買わせるため(30代 男性 小学1年生)
- ほしい月刊誌を買うため(40代 女性 小学5年生)
- ほしいものがあるときに、自分で買えると嬉しいと思うから(40代 女性 小学6年生)
7位は「欲しいものを買えるように」でした。
「お小遣いの使い道は自由」としていれば、欲しいものがあるときにいちいち親の意見を聞かずに購入できます。
「欲しいものを親に気兼ねせず買ってほしい」という思いで、お小遣いを渡しているご家庭もあるとわかりました。
またコツコツお小遣いを貯めて少し高額なものを買えたら、達成感も味わえるでしょう。
毎月のお小遣い額は平均1,103円
最後に小学生のお子さんに渡している「毎月のお小遣い額」を聞きました。
平均額は1,103円。
ただしボリュームゾーンは301~500円で、「1,000円以内」のご家庭が7割以上を占めました。
なお学年別に集計したところ、毎月のお小遣いの平均額は以下の結果になりました。
学年があがるほど、お小遣いの平均額も上昇しています。
まとめ
小学生のお子さんがいるご家庭の多くは、お小遣い制を導入しています。
お小遣いを通じて「やりくり」「適切な金銭感覚」「お金を大切にする姿勢」を身につけたいと考えているご家庭が多数。
お小遣いは、お金に関する教育の場になっていることがわかりました。
ただお金を渡して子どもに任せるだけでは、ただ浪費してしまい、十分な教育にならないかもしれません。
「お小遣い帳をつけて、使途をはっきりさせる」「なぜお金が手に入るのか伝える」などの工夫が有効です。